私の展覧会鑑賞記

 

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No.0183

投稿日時 2月 8日

展覧会名 第8部 能面と能装束
会場 根津美術館
会期 2002年1月12日〜2月17日
投稿者名 佐藤純子
鑑賞日時 2月 2日(土)
感想 根津美術館にははじめて訪れましたが、ここが表参道?と思うほど切り取られたような閑静なたたずまいですっかりトリップしました。行き届いた広い日本庭園を散策し、今回の「能面と能装束」の展示に向かいました。
1館に美しい能装束が並んでました。安土桃山の大胆な色彩のものと、淡い寒色パステル調の日本小物や装飾自然のディテールの細かい刺繍の織物はくいいるように見ていました。能の知識がないわたしは、想像していたより羽織の生地が固いのにも驚きました。同行の能に詳しい知人は「羽織はこおろぎのようだよ」と言いましたが、舞台上で日常とかけはなれて映えるものということを自分の中で想像して、また江戸時代、またはそれ以前の自然の歴史環境の色彩の中で、舞台は特出したものであろうと想像し、展示品をみることをこころがけました。あでやかに浮かび上がるこおろぎ?もとい能役者方は舞台上に奇異であでやかな羽をひろげたのだろうと。
そして、別の館に移るとそこには滅多に拝見できないだろう「能面」がずらりと並んでいました。「能面」をこれほど多く一度に拝見したことがないので、とても貴重な体験でした。比較してみることができたからです。名門の彫刻師の流派がいくつかあることを知り歴史の勉強にもなりました。面の深いしわは明らかにデフォルメされ、人間の顔とは異なるのにこれほど表情をあらわして何かいいたげなひとつひとつに神秘性を感じずにはいられませんでした。
能に詳しい同行者の話で「能」は幽霊の話が多いということをきき、それも自分の中で神秘性を増すのにくわわりました。「顔」というのは永遠に人の関心を惹きつけるテーマだと思います。いままで「能」をみたことがない私でしたが、今回の展覧会で「顔」をデフォルメ神秘化し、またファンタジーに転じている日本の「能」という文化芸能自体にとても関心をもつ展覧会でした。

 

 

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